6.11 残雪の夏沢峠

2007.6.1-2

今回は、2日間のショートツアーです。
1日目は、中央本線富士見駅を出発し、八ヶ岳中央高原、三井の森から夏沢鉱泉を経由してオーレン小屋まで。
2日目は、オーレン小屋から夏沢峠(標高2440m)を越えて、本沢温泉へ。さらには野辺山、清里を経由して韮崎まで下ろうという豪華な(笑)計画です。
オーレン小屋に聞いた所、夏沢峠経由本沢温泉への道は、樹林帯に雪が残っているとのことで、念のため、アイゼン、ザイル、スパッツを用意しました。
AM 8:18
甲府

今回も輪行の旅です。
自宅を朝4時50分出発。さすがに眠い。。。
南武線津田山駅発5時29分の電車に乗り、立川で中央線に乗り換え。
高尾発6時42分の普通電車松本行に乗車しました。

普通電車は大月あたりから通勤客で少し混んできましたが、
甲府で大部分が下車して、車内はガラガラに。
AM 9:16
富士見

富士見に9時11分到着。
自転車を組み立てた後、駅近くのコンビニで、弁当とスポーツドリンクを買いこみ、走り始めます。
AM 10:47
八ヶ岳エコーライン

富士見から30分位坂道を登り、八ヶ岳山麓をほぼ水平に走るエコーラインへ。
AM 10:49
八ヶ岳エコーライン

高原をわたる風はさわやかです。
AM 10:57
八ヶ岳エコーライン

AM 11:13
上槻木

上槻木で三井の森方面へ右折し、牧草地帯を抜けて行きます。
AM 11:17
上槻木

遠く、八ヶ岳の峰を望む道を登って行きます。
12:23
三井の森

ここは別荘地になっていて、美しい別荘が並んでいます。
こんな所で、ゆっくり過ごしてみたいものですね。
12:40
フォレストカントリークラブ付近

フォレストカントリークラブの横を抜けて走ります。
写真だとフラットに見えますが、苦しい登りです。
12:43
夏沢鉱泉分岐

左は唐沢鉱泉。正面が夏沢鉱泉へ向かう道です。
クルマで行けるのは、6km先の桜平という所までです。
夏沢鉱泉への道はダートロードですが、路面はフラットで、普通の乗用車でも問題なく走れる道でした。
12:56
林道にて

木々の間から時々八ヶ岳が顔を見せてくれます。
富士見で買っておいた弁当を広げます。
13:31
林道にて

とにかく、1台もクルマに会いません。
14:06
林道にて

美しい道です。
14:12
林道にて

14:44
桜平

結局、桜平までの6kmの間、一台もクルマに会いませんでした。

桜平にはゲートがあって、林道沿いに点々と駐車スペースが配置されています。一箇所に停められる台数は2〜3台程度です。

事前にオーレン小屋に聞いた所、残雪があるとのことで、時刻も15時近いため、自転車はここにデポし、オーレン小屋まで歩いて行くことにしました。
徒歩の標準タイムが1時間20分なので、私の足でも何とか17時位迄には到着できるでしょう。
15:34
夏沢鉱泉

桜平から夏沢鉱泉までの道は歩いて30分程。普通の林道です。

夏沢鉱泉には出力3.5kwの水力発電設備があり、他に太陽電池、風力発電と、自然エネルギーをフルに活用しています。
また、フロは薪で焚いているようで、煙突から、絶えずケムリが出ていました。
16:11
夏沢鉱泉〜オーレン小屋

夏沢鉱泉で少し休憩して、16時過ぎに出発。
夏沢鉱泉から先は、本格的な山道です。
17:01
夏沢鉱泉〜オーレン小屋

樹林帯には残雪がある箇所もありましたが、ほとんど溶けてしまっており、深い箇所は、この写真付近の1ケ所のみ。
この樹林帯を抜けると、もうすぐオーレン小屋です。
17:08
夏沢鉱泉〜オーレン小屋

樹林帯を抜けると、目の前に硫黄岳がそびえていました。
硫黄岳も、谷筋に残雪が残るものの、尾根の雪はなくなっているようです。
17:10
オーレン小屋

何とか、夕飯前に小屋へ到着。今日の泊まり客は10名程とのことで、何と個室でした。夕飯はオーレン小屋名物の桜肉のスキ焼。ビールも2本空けて腹一杯。居間の薪ストーブにあたりながら山の話に花が咲きます。

この小屋には、広い風呂があり、ゆっくりと湯船につかると、苦しい登りで痛めつけられた筋肉もほぐれます。

今日の残雪状況から、夏沢峠も、何とか自転車で越えられると判断。明日は、朝5時30分に朝食を食べた後、すぐに桜平まで降り、そこからMTBで再び登って来ることにしました。
小屋は21時に消灯。今日の道程を思い出しながら眠りにつきます。
AM 8:02
苔の森

朝6時少し前ににオーレン小屋から出発。桜平までは1時間程で降り、今度はMTBで登り始めました。登りはバイクの重さがずしりと足にこたえます。
登り坂をバイクと格闘していると、途中で初老の登山者の方に呼び止められました。
「ちょっと、こちらに来てみなさい」
行ってみると、こんな苔で埋め尽くされた谷がありました。
8:11
谷川の主

谷川にできた池を覗き込むと、体長20cmはある大きなイワナが泳いでいます。

先ほどの登山者さんのお話では、このイワナ、昨年もここにいたのだそうです。
「無事に冬を越せて良かったなあ・・・」

これより上にイワナはいないそうで、彼がこの谷川の主だそうです。
それは良いのですが、彼の結婚相手はいつやって来るのでしょうかねえ・・・。
こんな所まで遡上するには、相当にハードルが高いことは確かです。
8:44
オーレン小屋

オーレン小屋の名水「オーレン強清水」をペットボトルに詰め込み、夏沢峠へ向けて登り始めました。
AM 9:19
オーレン小屋〜夏沢峠

オーレン小屋の先、樹林帯にはかなり残雪が残っていました。バイクをひきずりながら登って行きます。
樹林帯を過ぎると、今度は岩場が現れますが、雪よりはラクです。
AM 9:24
オーレン小屋〜夏沢峠

少し登っては、少し休みを繰り返して登って行きます。
雪道では自転車をかついでしまった方が良いようです。
AM 9:35
オーレン小屋〜夏沢峠

峠の直下で、とうとう、一面の雪原になってしまいました。
自転車をかつぎ、赤いテープの方向に向かって、踏み跡を着実にトレースしながら進みます。
AM 9:44
夏沢峠

急に視界が開けて、夏沢峠に着きました。
夏沢ヒュッテは休業中。
山彦荘でラーメンを頂きました。
山彦荘のご主人、下界で食料を仕入れて登って来たばかりだそうです。
AM 10:18
夏沢峠

硫黄岳の爆裂火口跡です。
AM 10:35
夏沢峠

他の登山者の方に写真を撮って頂きました。

ここから本沢温泉までは、急坂が続き、しかも残雪もあるため、念のため、自転車と胴体をザイルで結びます。
気を引き締めて、降下開始です。
AM 10:43
夏沢峠〜本沢温泉

少し降りた所に、硫黄岳の爆裂火口壁を眺められる所があります。
いやはや、大変な絶壁です。
AM 10:44
夏沢峠〜本沢温泉

急傾斜の下り道が続きます。
雪の深さは50cm位でしょうか。
なるべく足跡の部分をトレースするように歩きます。
道の右側は急傾斜地なので、自転車を落とさないよう気をつけながら進みます。
AM 10:53
夏沢峠〜本沢温泉

岩と雪の下りが続きます。
AM 10:55
夏沢峠〜本沢温泉

残雪がなくなると、ホッとします。
AM 10:56
夏沢峠〜本沢温泉

崩壊した所には、丸太が渡してあります。
AM 11:01
夏沢峠〜本沢温泉

ちょっと休憩。
ザイルを結び直します。
AM 11:16
夏沢峠〜本沢温泉

だいぶ雪が消えて来ました。
AM 11:35
夏沢峠〜本沢温泉

本沢温泉の露天風呂を過ぎ、振り返ると、硫黄岳の火口壁が見渡せます。
AM 11:41
本沢温泉

本沢温泉に到着。
AM 11:43
本沢温泉

ここは、日本で一番高い所にある野天風呂です。
AM 11:54
本沢温泉

本沢温泉のキャンプ場で、イノシシが草を食べてます(笑)
よほど草がおいしいのかな?
傍を自転車で通ると、ちょっと振り返ってこちらを見るだけで、草を食べ続けます。
AM 11:57
本沢温泉〜八ヶ岳林道

本沢温泉から、八ヶ岳林道へのジープ道を降りて行きます。
12:03
本沢温泉〜八ヶ岳林道

道は、ずっと尾根筋につけられていて、斜度も緩やかです。
12:21
本沢温泉〜八ヶ岳林道

美しい道です。
12:25
本沢温泉〜八ヶ岳林道

富士見平という場所がありました。
天気が良いと富士が見えるのでしょう。でも今日は、視界が悪く見えませんでした。
12:30
本沢温泉〜八ヶ岳林道

駐車場に到着しました。
バイクや4WDは、ここ迄上がってこれるようです。
12:33
本沢温泉〜八ヶ岳林道

相変わらず快適なフラットダートが続きます。
途中、1000ccのオンロードバイクに会いました(笑)
以前は、もっと荒れた道だったのですが、整備したようです。
12:38
本沢温泉〜八ヶ岳林道

新緑の森を駆け抜けて行きます。
12:48
八ヶ岳林道

八ヶ岳林道へ出て来ました。
それにしても、この道は、来る度にどんどん整備されているようです。

かつて、「この先、道が荒れるため、クロカン車以外通行不可」と書かれていたのが、信じられないです。
12:51
八ヶ岳林道

八ヶ岳林道を南方向へ走ります。
こちらは、まだダートです。
12:58
八ヶ岳林道

八ヶ岳林道は、途中で通行止になっていました。
13:03
八ヶ岳林道〜海尻

八ヶ岳林道はあきらめ、海尻へ降りるダート道へ。
13:07
八ヶ岳林道〜海尻

八ヶ岳カントリークラブからは、舗装路になりました。
この先の下り坂で、最高速66.2km/hを記録。
このMTBの新記録です。
13:12
八ヶ岳林道〜海尻

落ち着いた雰囲気の、芦平の集落
13:12
八ヶ岳林道〜海尻

八ヶ岳は雲の中です。
13:21
海尻〜海ノ口

海尻から、国道141号線を南へ向かいます。
13:54
海ノ口〜佐久広瀬

海ノ口の先で海ノ口本村経由佐久広瀬方面への道へ左折します。
白いアジサイの花が咲いていました。
14:33
海ノ口〜佐久広瀬

佐久広瀬への道は、クルマがほとんど通らない、自転車向きのルートです。
AM 14:34
海ノ口〜佐久広瀬

素晴らしい景色のダウンヒルです。
  14:41
佐久広瀬

佐久広瀬駅の先で、小海線のガード下を走ります。
14:52
佐久広瀬〜信濃川上

佐久広瀬から信濃川上へは峠越えです。
この峠道も静かで美しい道です。
15:16
佐久広瀬〜信濃川上

峠を越えて、信濃川上の県道へ出て来ました。
ここで右折して、JR沿いに野辺山方面へと向かいます。
15:42
信濃川上〜野辺山

野辺山までは緩い登り坂が続きます。
道横の野菜畑は、ちょうど苗床が作られたばかりのようでした。
15:51
信濃川上〜野辺山

線路を横断しようとしたら、警報機が鳴り始めたので、ついでに撮影。
16:05
信濃川上〜野辺山

信濃川上駅から野辺山までは、だらだらの登り坂で、意外と疲れます。
ちょっと休憩して、ふと後ろを振り返ると、すばらしい景色でした。
16:27
野辺山駅

やっと野辺山へ到着。
野辺山名物、巨大な牛の置物と記念撮影。
16:28
野辺山駅

今度は、JR最高駅の看板の前で記念撮影。
16:56
野辺山駅〜清里

JR最高地点へ到着。
最高地点にはレストランや、ホテル、果ては神社まで建っています。
日本一というのは良いものです。
17:04
野辺山駅〜清里

国道を避け、旧道を清里へ下ります。
途中の踏み切りで、またまた偶然遮断機が下りて来たので、撮影しました。
17:14
清里駅

清里駅に立ち寄り、「おぎのやの釜飯」を買います。
この釜飯は群馬県の横川駅の駅弁だったのですが、今や、色んな所に進出。一種のフランチャイズ方式ファーストフードと言えるかも知れません。

駅で時刻表を見ると、次の小淵沢行は18時過ぎまでありません。
そう考えると、踏切通過時に遮断機が下りる。しかも2回も・・・というのは、かなりラッキーですね。
清里からは国道141号で韮崎へ。
クルマは多いですが、下り坂なので快適に走れます。
18:38
清里〜韮崎

夕陽が山の向こうに沈みます。
もう間もなく韮崎に到着です。
18:38
清里〜韮崎

夕闇近付く国道を、トボトボと自転車で走ります。
18:56
韮崎駅

無事、韮崎駅に到着。
19:12
韮崎駅

韮崎発甲府行き普通電車に乗車。
車内はガラガラなので、こんなふうに自転車を置いても平気です(笑)
19:51
甲府〜八王子

甲府で特急に乗り換えます。
甲州ワインを飲みながら、「おぎのや」の釜飯を食べます。
うーん。やっぱり輪行はいいなあ。
走行データ
 
 富士見〜三井の森〜桜平〜夏沢鉱泉〜オーレン小屋〜夏沢峠〜本沢温泉〜海ノ口〜佐久広瀬〜信濃川上〜野辺山〜清里〜韮崎

  走行距離 106.1km
  走行時間 17時間20分
  平均時速 6.1km/h
  最高速   66.2km/h