4月29日


 フェリーは朝6時に東予港に到着。連休の初日なので、結構な台数の車が搭乗していて、下船するとすぐに渋滞です。20分くらいで渋滞を抜け、ラリーの出発地点である今治の糸山公園へは、8時少し前に到着しました。
 糸山公園は、しまなみ海道の巨大な橋のすぐ下にある公園で、出発地点は海岸のすぐ近く。

こんな場所です

   いや〜極楽ですね〜

 車検の予約時刻は9時。
 外してあったフロント周りを再度バイクに取り付け、バイクウェアに着替えます。
 で、いよいよ車検が始まりました。バイクはラリー装備以外はほとんどノーマルなので、車検は問題なく通るだろうと気楽に考えていたら、マップケースの取り付け角度にクレームがついてしまいました。
 僕のマップケースは下の写真のような感じで、ほぼ90度の垂直な角度でそそり立っていたのですが、マップが見にくいのと、マップケースの上側の角が人の方を向いているため危険ということで、見事に失格;

 

車検とはあまり関係ありませんが、フロント周りの写真が出たついでにちょっと脱線して、ウチの奥さんからちょっと一言。

「これ、電熱器??」

(- -);;;;

 SSERの山田さんからは、「バイザーをもう少し前に移動して、マップケース取り付けステーを前方へ曲げてやれば?」とアドバイスを貰うが、取り付けステーはアルミ製なんです。アルミ素材は曲げに対して弱いので、この状態から折り曲げてしまうと、そのまま折れてしまう可能性が高い。
仮に折れなかったとしてもおそらくTBIの長い道中の震動には耐えられないだろうと思う。
その他に、バイザーを前に出すには、フォグランプを取り外す必要があり、そうなるとナイトランにも大きな影響が出てしまう。
フォグランプの威力は事前の北茨城ナイトランで実証済みだし、既にこれなしで夜の林道を走るのは考えられなくなってしまっている。

 既に時刻は9時30分近い。車検の締め切りは14時なので、残された時間は後4時間しかない。その時間でどういう対策が可能だろうか・・・。
 10分位あれこれと思案した結果、マップケースを手前に45度傾けるという案が思い浮かんだ。しかし、傾けるのはいいが、そのままでは当然ながらマップケースは宙ぶらりん状態である。空中に浮かぶマップケースは一般的に言ってあまり好ましくはない・・・いやはっきり言って実用上大問題である。
なので、どうにかしてどこかに固定するしかないのだが、さて、どうやったら固定できるんだろう・・・・。

結局、今治のどこかのホームセンターで適当なステーを探して、どうにかして固定するしかないという結論に落ち着いた。
残された時間は4時間。悩んでいる間に時間はどんどん過ぎていく。案ずるよりまずはステーである。
早速、愛車シェルパに跨り、ステーを求めて今治の町へと繰り出した。

 東予港からここ迄の間にバイパスらしい所を通ったので、あのあたりならホームセンターがあるかも知れないと思い、今治市街を抜けてバイパスへ出て南の方へと走り始める。
 しかし・・・・・ ない・・・
行けども行けども、ホームセンターらしきものは見当たらない。今治市の外れまで来た辺りで、遠方にホームセンターらしき影が見えたのでそちらへ行ってみるが、

 それは普通のスーパーだった (- -;;;

 「だめだ・・・」 絶望感が胸に広がる。

 「今治の人は工作が嫌いなんだな、きっと。」 

 などと暴言を吐いてみたりするが、絶望して天を仰いでも何も解決される訳ではない。
 で、南がだめなら北があるさ
 今度は逆の方向へ行ってみようと、北へ向かって走る。まさしく東奔西走、いや、南走北走か。

 で、バイパスの橋を渡ってふと右手を見ると・・・・

 そこには「オートバックス」があった。

 おお!さっきは見落としていたみたいだな! あそこならきっと何かあるに違いない。
 で、店に入るや、

 ステーは・・・・、 ステーは・・・、 ステーはどこだ・・・。

 と、完全に砂漠で見つけたオアシス状態で店の中を探し回る。
 そして、ステーはすぐに見つかった。
 あれこれ手に取って検討したが、とりあえずは、20cm位のステーと15cm位のステーを1本ずつ買って、駐車場へ。
 その場でちょっと位置合わせをして見ると、ICOの取り付けボルトからステーを出すと、ちょうどうまい具合にマップケースがステーの上に乗りそうだ。

 この瞬間、頭の中に図面が描かれた。

 これだ! これしかない!!!
 そして、さらに、ステー取付用の6mmのボルト、マップケース取り付け用の5mmのボルト、そして最後の武器タイラップバンドを購入して、糸山公園へ戻る。総走行距離は30km。結構走ったなあ。早速、ステーと、マジックテープを使ってマップケースの取り付け作業を開始する。

 で、で、できたあ!!!!

 うーむ。はっきり言って完璧な出来栄えだ。この短い時間の中で、よくぞここ迄できたものだ。
 時刻はまだ12時前。余裕だ・・・ぜ。早速、第二回の車検を受ける。
 が、こんどは、

   20cmのステーが外側へ飛び出しているので危ない

 と指摘される。ふふふ。これは簡単だぜ。

   ステーを手で内側へ折り曲げる。
   これでどうだあああ!!!


 という訳で、何とか車検合格ゲットおおおおー。
 ここ迄の道のりは長かったゼ・・・。マップケースを貼りながら昼飯を食う。まさに幸せの極致です。
 既に初日からTBIを満喫しております。ハイ。

 初日から色々とあったけど、ようやく出発です。

 

 スタートして、暫くは今治から松山市街を走りますが、その内に愛媛県の山の中へと進んで行きます。
 だんだんいい雰囲気の道に。そして、果樹園のような所を通るつづら折れの道を上がって行くと、そこがSS1のスタート地点でした。
さあ、これからSSだぜ。ガンバルぜ。ぶっ飛ばすぜ、皆の衆!!!

 しかし・・・、さすがSSERです。そんな気持ちを知ってか知らずか、

「山菜取りの人が入ってしまったのでスタートできません」

で、皆の衆、林道にバイクを止めてSS開設待ちです。
暫くして#34八幡さん(通称番頭さん)@林道戦隊かくれ隊員 到着。
番頭さんと暫くお話していたのですが、その内に、番頭さん「あっ、ウェストバッグをちょっと下の展望台の所に忘れて来た」ということで、展望台の所まで取りに行かれました。
(後で知ったのですが、結局、番頭さんのウェストバッグは見つからなかったんだそうです。車のキーも入っていたんだそうです。番頭さん、大変でしたねー)

    SS1開設待ちです

さて、件の山菜取り、いつになったら終わるんでしょうかねえ・・・。
で、30分位してようやくSS1開設です。
今回は「順位はどうでもいいんだ。完走だけが目標」という、一大方針の下、SSではコケないことを第一に走る予定です。
でも、走り始めると、やっぱりそんな方針はすっかり忘れて、思わず気合が入ってしまいます。上りの直線はアクセル全開。
でも、下りやカーブではコケないように、ゆっくりです(笑)
SS1は少し浮石があるものの普通の林道。ラクラク無転倒完走をゲットです。

さて、SS1からSS2へ行く途中、122.11km地点で道に迷ってしまいました。右に降りていく道が見つからないのです。逆走するエントラントと何台もすれ違いましたが、みんな首をひねって考えてます。途中、ヤケになって山の中の廃道みたいな所にアタックかけてみたりもしましたが当然ながらそんな所にルートは見つかりません。
結局、一度戻ってやり直した結果、ようやく右に降りて行く舗装路を発見!!
いやーそれにしてもこんな所に道があったんですね・・・・
分かってしまえば何でもないんですが、いやーSSERさん、さすがにやってくれますねえ・・・。未熟者の私はすっかり騙されました。

SS2はナビゲーションが必要な林道。最初は上りで、上りきった所に鉄塔があります。
で、ここもちょっとトリッキー。
コマ図を良ーく見ていないと、鉄塔を囲むフェンスに激突しそうになります。

 

鉄塔の手前20mくらいの所で左に分岐しているおぼろげな感じの踏み跡が正解。その林道を走り始めますが、300m位下った所で、コマ図の「舗装部分がなかった」ような気がして不安になってしまい、また鉄塔の所まで引き返しました。
再度鉄塔のあたりをライトで見渡しますが、どう考えてもこの林道しかありません。
で、その林道をずっと下って行くとコマ図通りの場所に分岐が現れました。後は迷うこともなく一本道を走ってSS2も無転倒完走。

いやーSSも無事完了して、もう少し走れば今日は終わりです。まぶたの裏にビールがチラチラし始めます。
で、快調にゴール目指して山道を走っていると、急にSSERのトラックが道を塞いでいました
おやあ?何かあったのかな?
トラックの所では、数台のバイクが止まって、オフィシャルと何やら話をしているのですが、良く見ると、オフシャルは山田さんでした。
で、山田さんからこんなお願いが・・・。

「すみませんねえー。この先に民家があるので、ここでバイクのエンジンを止めて押して行って貰えませんか?」

うーむ。なるほど。良く分からないけれど住民の方々から苦情が出たみたいです。
指示通り、素直にバイクを降りて押して行きます。
さて、バイクのスイッチをオフにすると道は真っ暗です。
で、早速、某FM+1で買ったバハでも使えるご自慢のヘッドランプの出番です。
このヘッドランプ、100m先も見えるスグレモノなんです。すごいんだぞおーーー
で、早速ランプ点灯。
しかし、さしものバハランプも、この状態でははっきり言って鶏口となるとも牛後・・・じゃなかった、鶏を裂くに牛刀状態。

100m先でバイクを押しているエントラントを虚しく照らすだけでした

何か、とってもワビシイので、すぐに足元照明モードに変更です。

しかしこのバイク押し上げ、予想したよりも結構距離があります。
結局峠に着く迄10分以上かかってしまいました。軽量級のシェルパでも結構いい汗かいてしまいましたので、BMWなどの大きく重いバイクはとてつもなく大変だったと思います。恐らくは、2人一組で押すしかないでしょう。2人一組ということは押すのも2倍ですし、さぞ大変だったのではないでしょうか?
という訳で、突然現れたエコチャレンジ区間も何とかこなし、道は大洲市内へ。
ビバークであるキャンプ場には9時過ぎに到着でした。

で、キャンプ場に到着すると、早速#25ササキ氏@マスターof林道戦隊 が顔に満面の笑みを浮かべて近づいて来られます。

「いやーご苦労さん。SS3、大変だったんだってねえ・・・」

ハハハ。あれ、SS3だったのかあ・・・(笑)
という訳で、SS3不通過の人は何といきなり2時間のペナルティだったんだとか・・・(嘘)

さて、そんなこんなで、テントを張っていると、今度は#17鈴木さんが現れました。で、鈴木さん、開口一番。

「やっと見つけたよ! ゴールしてないって大騒ぎになってるよ!!」

そう言えば、チェックカードをオフィシャルに渡してませんでした。入り口で誘導されるままゲートをくぐらないでパルクフェルメへ直行していたので、チェックカードのことをすっかり忘れてました・・・。
急いでゴール地点へチェックカードを持って行き、今度こそ本当にゴーーーーール。

MAXタイムはギリギリセーフだったみたいで、翌朝リザルトを見ると減点なしでした。
いやー#17鈴木さんが見つけてくれなかったら、いきなり初日から大きなペナルティを食らう所でした。

明日は6時スタート。
テント張って、メシ食ったら、携帯の目覚ましを4時にセットして、あっと言う間に就寝しました。

<今日の一言>
 いやー、今日は完全にやられましたあ。